Beginners-RaymondCarver(ビギナーズ-レイモンドカーヴァー)

単語数62,964
累計単語数1,127,848

ラダーシリーズを卒業して、初めて読んだ本

ラダーシリーズや子供向けの本ばかりをひたすら読み続け、累計単語数も100万語を超えました。

そして、ラダーシリーズもレベル5になると単語制限もなくなるとのことなので、これからは普通の洋書を読んでいくことにしました。

スタートしてから、1年と3カ月程度経って、ようやくです。

初めの一冊はすでに翻訳を読んだことがある短編集にしよう思ったので、ものすごく好きな短編、『ささやかだけれど、役にたつこと』が収録されている、レイモンドカーヴァーのビギナーズを選びました。

なんだか、タイトルも初心者向けって感じですねw

全然初心者向けではないw

正直ハードル高かったですw

単語の難しさというより、表現の難しさといった感じです。

何気に腹が立ったのが、酔っぱらっている4人の会話のシーンで、ある一人がvassal(封建時代の家臣を表す言葉)を間違えてvessel(容器)と言い続けるシーンがありました。

「いつだって、誰もが誰かに従属しているんだ」みたいな感じの意味の文章が「いつだって、誰もが誰かの器なんだ」みたいな感じの文章になったまんま、ひとしきり(10行くらい)語り続けた挙句、「vassalだよね?」ってツッコミが入るという……

いやいや、酔っぱらい4人の会話のシーンとしてはとても面白いシーンなんですが、英語学習者にはツライ表現です(T-T)

※weblioの判定で行くとvesselはレベル3(語彙1,000~1,500語)の単語、vassalはレベル18(語彙11,000~12,000語)の単語とのことです。ネイティブが言い間違えるくらいの単語ですもんねw

また、読んでいて全く状況がつかめなくなってしまう部分が多々あり、さすがに翻訳版と読み比べたりもしてしまいました。

ちなみに村上春樹が翻訳してるんですよ

翻訳版は『村上春樹翻訳ライブラリー』の一冊です。

翻訳者としての印象はあまりない村上春樹です。

本人も翻訳は趣味みたいなものなんてことを言っていますが、このシリーズ、洋書のチョイスがかなり良く、面白い本が多いです。

先々、このシリーズの中から、いくつか原文で読んでみたいなーなんて思っています。

が、今回、一番お気に入りの本を一冊読んでみて、これ、ガチでキツイわ……と思ってしまったところなんですけどね(^^;

僕の英語力でも楽しんで読める部分も確かに多かったです(Kindleの翻訳機能を駆使しながらですが)

が、しかし、決定的な場面が情景や感覚に関する描写中心になっていたりすると、本当にわけが分からなくなりました

(収録の短編の中では、「Tell the Women We’re Going」なんかで顕著です)

また、そもそも分からせる気のないような作品もあります。

「The Calm」は、狩りの話をしていると、聞いていた老人が突然、怒って帰ってしまう話なんですが……

その老人をよく知っている友人ですら「正直、なんで怒ったのか分からん」みたいなことを言ってしまいます。

恐らく、こういう文章に対する態度は「理解する」ではなく、「感じる」とか「味わう」とかであるべきなんでしょうし、日本語で書かれていれば、自然にそうします。

そして、そういうふうに楽しめる作品が好きです。

英語で読むとどうしても、「理解できたかどうか」という尺度が入ってしまうため、おかしくなるんでしょうね。

次はもうちょっと表現の簡単な本を選ぼうと思います。まぁ、小説は避けようかな……。