薮の中 ラダーシリーズ
単語数3,300
累計単語数20,370
読書記録

短っ!!だがしかし。

今回読んだ本、たったの3,300単語しかありませんでした。

けれど、ここまで、童話、伝記と読んできて、今回日本の文学作品の翻訳を読んだわけですが……

これが一番ダントツで難しかったです。

何といえば良いか難しいですが、恐らく、原文の雰囲気を残すための努力が随所に見られ、そのせいで文章がより分かりにくいのではないかという気がしました。

微妙な表現になればなるほど、Kindleの翻訳機能が……なんというか、ズレてくるという問題もあります。

何より厄介なのは英語力の問題か読解力の問題か判断できないという問題があります。

分からな過ぎて、これは青空文庫で原文も読んでしまいました(^^;

「have one’s way with」という表現

例えば、「have one’s way with」という表現があります。

検索して一番に引っかかった英辞郎のサイトによると……

  1. 「~を自分のやりたいようにする」
  2. 「〔性的に〕(人)を好きなようにする、(人)を意のままにする」

……と言った意味があるようです。

さて、本の中で見ると……

So this is how I had my way with the woman without killing the man.

ラダーシリーズ

これをKindleに訳させると、「だから、私は男を殺さずに女と付き合った」となります。これは変です。

原文ではどうなっているかというと……

わたしはとうとう思い通り、男の命は取らずとも、女を手に入れる事は出来たのです。

原文

しかし、この後、この女性が「二人の男に恥を見せるのは、死ぬよりもつらい」なんてことを言いだすので、明らかにここではレイプしてるわけです。

後にもこの表現は使われていて、

After the robber in dark-blue suikan clothes had his way with me,

ラダーシリーズ

その紺の水干を着た男は、わたしを手ごめにしてしまうと、

原文

「手ごめ」の意味もなかなか難しいところで、僕の言語感覚では「時代物か任侠ものでしか使われない『レイプ』の意味の言葉」として捉えています。

そして、実際、こんな言葉は時代劇かヤクザ映画でしか使われないし、また、多くの人がそのように理解しているのではないでしょうか。

ただし、改めて「手ごめ」調べると……

  • 手荒い仕打ちをすること力ずくで自由を奪い、危害を加えたり物を略奪したりすること。
  • 暴力で女性を犯すこと。

……とあり、「手ごめ」は「have one’s way with」にかなり近い気がしてきます。

恐らく、実際に使われている場面をあまり見たことがない外国人が「手ごめ」を英訳するなら、「have one’s way with」と訳すしかないのかもしれません。

う~~~~~~~ん。

状況を整理すると……

やったことは「レイプ」

表現上、「手に入れる」「手ごめ」にするなど書き分けられている

翻訳は「have one’s way with」となる。

……日本語語以外で文章を読む難しさを感じてしまいました。

単語力と読解力

日本語だってそうですが、単語力と読解力には違いがあります。

ラダーシリーズは単語の難易度で分類されているため、「藪の中」はレベル1に分類されています。

読解力という点では難易度高めな気がしますね。

もう少し、読み慣れなければならないな……